Melillo Methodとは

Melillo Method とは、アメリカの脳機能神経学の専門家 Dr. Robert Melillo (Dr.ロバート・メリロ)が開発した脳機能の健全性を基礎とする健康モデルで、発達機能神経学と脳機能解剖学に基づいた臨床的な小児発達障害の改善法です。

30年前、カイロプラクターとして脳機能神経学を学んだ後、自身のクリニックを経営されていたDr.メリロは、奥様の友人から息子さんの自閉症について相談を持ち掛けられました。当時、すでに脳機能神経学の分野では専門家であったDr.メリロですが、自閉症については何の知識も無く、友人からの、「どうか息子を助けて欲しい、あなたなら必ず息子を救ってくれると信じているから」という熱意のこもった言葉から、自閉症や発達障害に関する医学論文や研究論文を徹底的に読み漁り、分析研究し気が付けば分析した医学論文は4000件を超えていました。

 

こうして分析した医学論文、研究論文から見えてきたのは、発達障害や自閉症を持つ子供たちには、

左右の大脳半球の機能の偏りや、機能低下があることでした。

人間が生まれた時の脳は、生命維持にかかわる延髄が確認できるほどです。そこから、延髄の発達、橋、中脳が発達して、その後の小脳の発達、大脳の発達と続いていきます。そして生後2年は右脳の発達が主に続き、言語を覚え始める3歳ごろから左脳の発達が始まります。その後も、右脳、左脳は交互に発達を続け成長していきます。この脳発達のプロセスの中で、どこかでその成長が妨げられた場合、その機能が十分に発達しないまま次の分野の成長へ移行したり、また成長が留まってしまった場合に、発達障害や自閉症として症状が現れると考えられるのです。

自閉症や発達障害の子供達に特徴的に見られるのが、赤ちゃんの時のみに見られる「原始反射」が、成長した後でも残っていることです。原始反射は、生後自ら自由に体を動かすことができない乳児が、何かの危険を察知したり、体に刺激が入ったときに、その危険を避けたり、生存のために自動的に体を動かす反射で、主に延髄から出ています。延髄の成長が進み、脳の成長が次の段階へ移行するときに、その原始反射は自然と統合されて消えていきます。この原始反射が残っているということは、発達障害や自閉症の子供たちは何らかの原因で、延髄の発達から何か問題があったと考えられます。つまり、その先の脳の発達も正常には行かず、何か問題が生じる可能性が高いわけです。

Melillo Method では、まずこの原始反射の残存を調べ、残っている原始反射を取り除くことで、その先の脳の発達を正常な発達へと促します。そして、右大脳半球、左大脳半球の機能が低下している側を、運動、感覚、認知、栄養、最先端技術の刺激ツールを用いてその活動を促し、左右の大脳半球の働きを統合することで、発達障害や自閉症の症状を改善し、脳機能を回復させることを目指します。

 右大脳半球の機能低下時に起きやすい症状

ADHD 注意欠陥多動性障害

アスペルガー症候群

自閉症

ティレット症候群

OCD 強迫性障害

ODD 反抗挑戦性障害

 

 

 

左大脳半球の機能低下時に起きやすい症状

発達性読み書き障害

処理障害

運動障害

書字障害

学習障害

言葉の遅れなど

慢性的な感染症

 

 

右大脳半球の機能低下によって起きやすい症状:
ADHD、アスペルガー症候群、自閉症、ティレット症候群、OCD(強迫性障害)、ODD(反抗挑戦性障害)

左大脳半球の機能低下によって起きやすい症状:
読字障害、処理障害、運動障害、書字障害、学習障害、言語障害、慢性的な感染症

右半球は世界を大きな視点で捉え、左半球は小さな視点で詳細に物事を捉えます。
左脳は車に例えるとアクセルのようなもの。
体の小さい筋肉や、緻密な運動を担当しています。
好奇心が旺盛で、すべての意識的な運動や動作をコントロールしています。また、左脳は言語能力や発語を司っており、言語の学習を行っています。左脳はルーティンのような単純な作業の繰り返しを好む脳で、ポジティブな感情を担当している脳です。また、免疫システムをコントロールしている脳でもあります。


右脳は車でいうとブレーキのような働きをする、とても注意深い働きをします。
体の大きい筋肉や、姿勢、歩行にかかわる筋肉をコントロールします。空間の認識を行っている脳で、自身の体の認識に関わっており、バランスや固有感覚を司ります。右脳は危険を察知したり認識して、それを回避するなど自己の安全を図ります。
右脳はネガティブな感情や、衝動をコントロールする脳でもあります。非言語的コミュニケーションに優れ、ボディーランゲージや社会性を読み取ります。


それぞれの大脳半球が、どのようなことを主に行っているかを理解することで、発達障害を持つ子供たちの、右脳、左脳のどちらの大脳半球の機能が低下していて、どちらの大脳半球の機能が過剰になっているかを推し量ることができます。
機能低下を起こしている側の大脳半球を刺激することで、発達を促し、大脳半球の機能を、もう片方と同じレベルに押し上げることを助けます。それが、両方の大脳半球がバランスよく効率的に働くために必要不可欠なことなのです。